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メランコリーという語について

 DSM-IV-TRにおいて、うつ(病)性障害Depressive Disordersの下位分類にあたるMajor Depressive Disorderの項目においてMelancholic Features Specifeir - これを日本語訳でメランコリー型としてしまったので、話がややこしいことになってしまったのでしょうか - の記述を認めることができますが、これが日本語訳が示しているようにテレンバッハのいうTypus melancholicusを多少とも意識したものであるとしたらDSMのこの項の執筆者はテレンバッハのことをまったく解っていないことになります。
 テレンバッハはメランコリー論において、内因性という言葉に従来とは異なる独特の意味づけをしました。状況因という語とTypus melancholicusという語は密接に関連し合っています。Typus melancholicusは単なる病前性格とかいわゆるパーソナリティーとかで片付けられる概念ではありません。もちろん単なる症状とこの概念を直接結びつけることはできません。ここでは詳しく述べることはしませんが、みすず書房のH. テレンバッハ著、木村敏訳『メランコリー』(木村先生はTypus melancholicusを「メランコリー親和型」と訳しましたが、笠原先生をはじめ多くの方が「メランコリー型」としています)をお読みください。Binswangerの諸作などとは違って、それほど難解ではなく、今でもDepressionを理解するためには示唆に富む本ですので、だれにでもお読みいただけるものと存じます。
 
 ですからこの日本語「メランコリー型」に対比されるかたちでAtypical Features Specifier - 非定型云々と訳されています - が対比され、パーソナリティーの違いが強調されている臨床の現場に警鐘を鳴らすべきでしょう。

 どちらか一方です。DSMがおかしいのか、日本語訳が混乱を招く元凶であり日本の大多数のメンタル系医師、研究家がテレンバッハのTypus MelancholicusとDSMの日本語訳メランコリー型を混同しているかです。

 もしDSM-IV-TRのメランコリー型というものが「非定型」に対して「定型」なのだとしたら、非定型うつ病が増加していると唱える研究家は、DepressionにDSMの『定型』における特徴として列挙された記述以外の例外があまりに多いという事実を認めなくてはなりません。そうならば、この例外(つまり『非定型』の特徴)を定型のなかにも組み込めばよいと提言すべきでしょう(例えば、「睡眠障害のなかに過眠もありうる」、『食欲低下もあるし食欲亢進もある」等々)。

 このような整合性のなさが2013年のDSM-Vで双極性スペクトラムという大項目に、まったく自己批判をしないまま、纏め上げられるのならば、これは改訂ではなく粉飾といわれても仕方がないでしょう。

 DSMもその歴史があり、過ちを犯してきた筈ですが、「歴史の終焉」とは過去の過ちの無反省というご都合主義でしかありません。

 

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